![]() イラスト : 愛豚貯金箱.net 小雪さん |
あなたは1億円の利益をあげている経営者と、10億円の利益をあげている経営者のどちらが優秀だと思いますか?
どちらを選んだ人も不正解です。答えは「これだけの情報ではどちらか分からない」のです。
その理由は資本金の差です。10億円の資本を元に1億円の利益をあげる経営者は、200億円の資本を元に10億円の利益をあげる経営者より優れていると言えます。
なぜなら、ブッチャが200億円のお金を持っているとすれば、前者と同等の経営者を20人探して投資をするからです。そうすれば利益は20億円ということになります。
ただし、「資本が巨大になると効率的な経営が難しくなるので、そのまま経営者の優劣に結びつけるのは早計である」「20人の優秀な経営者を探すのは難しい」という問題もあるので注意してください。
■ 株主資本利益率 (ROE)
こういった判断基準を分かりやすくした指標が「株主資本利益率(ROE)」です。
ROE = 純利益 ÷ 株主資本 × 100
つまり、ROEとは「株主が投資した資本を1年間にどれだけ増やすことができたのか?」を表します。
ただし、「複数年に渡って調べる」「大きな変化があった年は何があったのか原因を調べる」「借入率によって変化する」といった点に注意してご利用ください。
■ 総資産利益率 (ROA)
ROEは借入率によって大きく変化してしまいます。例えば、10億円の資本を元に1億円の利益をあげた企業はROE10%ですが、10億円の資本を元に10億円を借入し、総資産20億円を元に2億円の利益をあげた起業はROE20%になります。
(1) 資本10億円 → 利益1億円 → ROE 10%
(2) 資本10億円 + 負債10億円 = 総資産20億円 → 利益2億円 → ROE 20%
でも、これって何だか不公平な気がしませんか?だって元手を2倍にすれば2倍稼げるのは当たり前でしょ?
そこで「総資産利益率(ROA)」の登場です。ROAは株主資本ではなく総資産を使って計算されるので、借入率を増やせば増やすだけ高くなるということはありません。
ROA = 純利益 ÷ 総資産 × 100
ただし、いくらROAが高くても「借入率0%」という経営スタイルには賛否両論あります。なぜなら少しでも「株主資本利益率」を上げることは経営者の使命だと言えるからです。そのためにある程度の借入率は必要だという考えもあります。
実際のところ「高借入率・高成長」の企業がよいのか?「低借入率・安定成長」の企業がよいのか?は個々の投資家の判断に委ねられます。
■ ROEはどれぐらいの水準が良いの?
ROEとは年間に資本がどれぐらいの割合で増えていくのかを表します。つまり、自分が納得ができる利回りであることが重要です。
ブッチャの場合、比較的利回りの高い海外債権などと比較して、最低でも10%を超えていることが条件です。逆に言えば、他人のお金を債権よりも低い利回りで運用して当たり前という顔をしている経営者には疑問を感じます。
ただし、高すぎるROEにも注意が必要です。30%を超えるような高ROEの場合、「過熱的なブームにのった」「革新的な商品がユーザーに受け入れられた」といったケースが考えられます。
市場の原理として儲かっている業界には次々と新規参入者が現れます。すると、高かったROEを一気に押し下げられることになるのです。
非常に高いROEの場合には「その原因は何なのか?」「高ROEを維持することは可能なのか」といった点をよく調べるようにしてください。
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